資金調達最前線：AIプロジェクトが注目を独占

6月16-22日の1週間で、投資家は16件の取引に総額1億1000万ドルを投下。前週の1億9500万ドルから減少したものの、金融テックアナリスト視点で見るべき分野の変化がありました。

AIプロジェクトが急成長

Cluelyの1500万ドル調達（a16z出資）はトレンドを象徴：会議支援用「検知不可能なAIアシスタント」が企業の生産性向上ニーズに応えています。さらに興味深いのはPrismaXの1100万ドルシードラウンドで、分散型インセンティブによるロボティクス視覚データ品質向上というニッチな課題に取り組んでいます。

一方、Gradient NetworkはMulticoin Capitalなどから1000万ドルを調達し、分散型AIプロトコル構築を進めます。中央集権型AIのデータ独占問題を追ってきた筆者として、次世代モデル訓練方法を変革する可能性を感じさせるアプローチです。

DeFiの適応進む

純粋な暗号資産プロジェクトは16件中4件のみ。注目は：

• TACの1150万ドル調達（Telegram生態系とEVM dApps連携）
• BitVaultのビットコイン担保型ステーブルコイン（GSR/Gemini出資）

特定の相互運用性問題解決に特化したインフラ案件は依然として資金を集めています。

機関向けステーブルコイン台頭

元CitiチームによるUbyx（1000万ドル調達）やSaturnX（300万ドル）は、ステーブルコインと伝統金融規制を組み合わせたB2B決済基盤構築中です。国際送信企業へのコンサルティング経験から、これは大規模採用に向けた現実的なユースケースと分析しています。

出典：Odaily提出書類

大局的な見通し

平均調達額縮小からわかること：

1. VCは差別化された技術スタックへ慎重投資
2. マクロ不確実性下で後期段階ラウンドは依然警戒的

a16zがCluely/PrismaX/PublicAIへ三重投資している点は、今後の注目ポイントです。